まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「日銀はこれまで0.1%としていた長期金利の上限を0.2%まで容認すると発表しましたが、今後定期預金の金利も上昇すると思う?思わない?」では・・・
1位:多少は上昇すると思う 76%
2位:変わらないと思う 18%
3位:多少低下すると思う 6%
となりました。1位は「多少は上昇すると思う」で約8割ですね。
日銀の発表が7月末だったというタイミングの悪さもあって今のところ定期預金の金利に変化はありませんが、それでも個人向け国債の変動10年などは早速、先月の0.05%から今月は0.09%に上昇していますね。
本日の長期金利は0.110%ということでまだそこまで上昇しているわけではありませんが、それでもこれまでの0.1%という上限を超えて推移しています。
日銀の出方をうかがいながらジワジワ上昇し、最終的には0.2%に到達していくのが基本シナリオかと思います。異次元緩和の前は長期金利は1%程度あったわけですからね。0.1%にしても0.2%にしても「低すぎ」ですから、素直に考えれば金利は正常化=上昇していくのでしょう。
今回の措置がうまく行けば、次は「0.3%上限」、その次は「0.4%上限」と徐々に変動幅を広げていき、最終的には「0.5%上限」くらいまでは行くような気がしますね。何となくですが、「四捨五入してゼロならゼロ金利」という理屈が使われそうな気がします。
長期金利が0.5%近くまで上昇すれば、金融機関も預金者も多少は一息つけそうです。
いずれにしても「インフレ率が目標である2%に到達しなくても、実質的に金利を引き上げる道が開けた」というのは歓迎すべきことですね。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは9月1日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=429
〔前回のコラム〕日銀が長期金利上昇容認。今後金利は上がる?
--- Ginkou ---
「定年後も働きたい」8割 民間調査、意欲と現実に差も
https://www.nikkei.com/
定年前の50~64歳の正社員のうち約8割の人が定年後も「働きたい」と希望していることが明治安田生活福祉研究所の調査で分かった。だが男女とも2割前後は「働きたいが働けない状況」と答えていた。働きたい理由としては「日々の生計維持のため」がトップで50代男女では約7割を占めた。「働きたくない」は男女とも約2割だった。
調査は今年2月にインターネット上で50~69歳の男女6250人を対象に実施。年齢層や現在の職の有無を区分して、定年後の働き方に関する意識を調べた。
定年前の男女正社員2500人に定年後も働きたいかと聞いたところ、「働きたい」と答えた人は、50~54歳の男性正社員では78.0%を占めた。55~59歳では78.4%、60~64歳では82.6%に上った。女性正社員でもいずれの年齢層で75~80%を占めた。
だが全体の2割程度は「働きたいが働けない状況」と回答。働けない理由として「働く場所の見込みがない」「肉体的衰え」「家族の介護」などがあがったという。
働きたい理由(複数回答)を尋ねると、全年齢層でも「日々の生計維持のため」が最多で、50~54歳の男女正社員では70%以上だった。55~59歳、60~64歳の年齢層でも50%以上に上った。続いて多かったのは「生活のハリ・生きがい」でどの年齢層でも30~50%程度。年齢層が高くなるにつれて割合が上昇する傾向にあった。
ただ定年後に働いている60代男性のうち、60~64歳では「日々の生計維持のため」が最多だったが、65~69歳では「生活のハリ・生きがい」がトップに。年を取るほど社会とのつながりや充実した生き方を求める傾向も判明した。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
定年後にいくらの預貯金が必要なのかについては諸説ありますね。「3,000万円」が多いように感じますが、金融機関が盛んに喧伝するものとして「1億円」があります。
正確な数字は忘れましたが、確かこのような計算式だったかと思います。
・余裕のある生活に必要な資金:月30万円
・年金などの収入:月20万円
・ギャップ:月10万円×20年=2,400万円
・60歳~65歳の生活費:月30万円×5年=1,800万円
この場合だとトータル4,200万円が「老後に必要な資金」ということになります。
とは言いつつ、誰もが月30万円必要というわけではないでしょうから、仮に上記試算で言うと毎月の生活費を20万円に抑えれば老後に必要な資金は1,200万円に劇的に低下します。
さらにその「1,200万円」も、「60歳に退職してから65歳まで働かない」ために発生しているわけで、「65歳まで働く」ことにすれば、老後に必要な資金は見事にゼロとなります。つまりは
・65歳まで働き、それ以降も年金の範囲内で生活すれば老後に必要な資金はゼロ
ということです。当たり前ですが・・・。
もちろん、出費というのは完全にコントロールできるものではありませんので、預貯金があればあるほど安心できて良いのは間違いありませんが、一方で預貯金の額もまた完全にコントロールできるものではありませんので、預貯金の額が少ないからと言って必要以上に老後に対して不安がる必要はないということです。
いずれにしてもポイントとなるのは「60歳を超えても働くこと」です。仮に月10万円=年間120万円の収入であっても0.1%の定期預金なら「残高12億円相当」ということになりますから、労働の大切さを実感できますね。
経済的な観点だけでなく、「生きがい」や「社会へのつながり」という観点からも働くことは有益なわけで、筆者は今のところ死ぬまで働きたいと思っています(笑)。
では世の中ではこの「老後の勤労」についてどう考えているかと言うと、上記記事の通り明治安田生活福祉研究所の調査によると、「定年前の50~64歳の正社員のうち約8割の人が定年後も働きたいと希望している」とのことですね!8割というのはなかなか心強いです。「働きたい」のか「働かないといけない」のかは微妙なところですが・・・。
回答結果を詳しく見るとこのようになっています。
確かに男女ともに8割近くの方が働きたいと思っていることが分かります。働きたくないという正直者は2割ですね。
ちなみに人間に限らず昆虫でも、よく働くのは2割、働かないのは2割、普通が6割となるようですが、そのセオリー通りの結果です・・・。
なお補足しておくと、「働かない2割」は不要な存在というわけではなく、集団が危機になった時に働くバッファの役割があるようで、昆虫の場合だと「怠け者」がいないコロニーは危機の時に早く崩壊したという調査結果があったような、なかったような・・・。
それはともかくとして、ぜひ自分のためにも、社会のためにも、働き続けたいものですね。
とは言いつつグラフにある通り、約2割の方は「働きたいが働けない」と回答しており、無視できない割合です。
女性の社会進出のためのインフラ作りや制度改革はかなり進んできた印象がありますが、今後はこうした「高齢者の社会進出のためのインフラ作りや制度改革」が注目されていくのかもしれませんね。
一生働きたいと願う筆者にとっても気になります・・・。
では今回の読者アンケートは、「定年前の50~64歳の正社員のうち約8割の人が定年後も働きたいと希望しているという調査結果がありますが、あなたは定年後も働きたい?働きたくない?」でいきましょう。投票は9月8日まで。
■【読者アンケート】定年前の50~64歳の正社員のうち約8割の人が定年後も働きたいと希望しているという調査結果がありますが、あなたは定年後も働きたい?働きたくない?(9月8日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=434
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